『自分とか、ないから 教養としての東洋哲学』 感想ブログ

どーもこんばんは!

フグ(夫)です。

なんだかんだ人生大変なことが多いので、

私はいつも自分より人生ハードな人やちょっぴり自分より不幸な人のエピソードを探してしまう心が貧乏な人間です。

そんな私にビビッと刺さってきたのは

自分とか、ないから 教養としての東洋哲学』でした。

刺さった理由は

著者が

  • 新卒で入った会社に合わず、退職
  • 鹿児島に移住して事業を行うも失敗
  • お笑い芸人で一発逆転を狙うも失敗
  • 気がついたら家で引きこもり生活

という負のオンパレード! 

ホリエモンのような一流のビジネスパーソンのえらいお言葉は、無駄なプライドが邪魔してなかなか聞けないのですが、

この人の話は素直に受け止められそうと思い、Kindleでポチッとしました。

個人的に特に刺さったポイントを今から記載しますが、ネタバレになるので、ご注意ください!

刺さったポイント①「自分とかないんだよ、ないものを探しているから苦しいんだよ」

読んでまずびっくりしたのがブッダの生い立ち。

ブッダは、元々は王子で裕福な家庭で、家族にも愛される好青年。

その好青年ブッダも「人生に虚無感を感じて、苦しみ、29歳で王子という立場を捨てて、なんなら奥様と生まれたばかりの子供も捨てて出家した。恵まれている環境でも人は虚無感に襲われていた」ということ

「いいよいいよ!僕みたいなプライド高い高いの私には、ブッダのえらいお言葉は耳に入らなかったかもだけど、こんな人生うまく生きていけていない人の話はすごく聞きたくなる!(こんなひねくれた人間になりたくなかった。。)」

そのブッダが辿り着いた結論が「自分とか、ない」ということ

自分はあらゆるものにつながっていて、その時近くにいる人やたまたま読んだ本、食べたものなので常に自分自身は変化をしている。

常に変化をしているからこそ、「本当の自分」/「理想の自分」というものは存在しないよ*

だって常に変化しているから比較対象も変化しているし、比べることが無駄だよ

 *ちなみにこれを「無我」というらしく、無我の境地=本当の自分を探す、という苦しみ、縛りから解放された状況のことをいうらしい・・・

人生の虚無感をなくすために、自分探しの旅に出たのに、結論は「探していた自分なんてなかった」というもの。

つい「今の会社で働いていて、なんか成長しているのか?」とか自問自答したり、

昔立てた目標を何一つ達成してなく、今も違うことをしている自分の適当さに嫌気がさしますが、

この本を通じて本当の自分とか理想の自分のようなものはないから、凹むこと自体が無駄だよ、と言われた気がして、少し気が楽になった。

ベン・スティラー監督・主演の「LIFE!」にも近い話がある

LIFEの主人公は週刊誌の発行会社で、うだつの上がらない仕事をしていて、人生にやる気がみなぎっていない。

周囲にはどんどん出世して成功を収める人がいると、自分も大活躍する妄想の世界に逃げている。

その主人公が小さな会社のトラブルを通じて少しずつ成長をしていくんだけど、最後にその主人公が最も輝いている瞬間の写真が出るんだけど、それは成長を実感している姿ではなく、うだつの上がらない仕事を淡々とでも真剣に取り組んでいる姿、というお話。

この話はキラキラしていない瞬間でも、変に意味を求めず、実直に確実に生きていくことを肯定する映画と僕は捉えているが、ブッダの言っている「ありもしない理想の自分と比較して落ち込むのではなく、本当の自分から解放されて、生きて生きなさい」ということに通じているのかなと思った。

刺さったポイント②「なぜ人生は苦しいのか? それは変化する世界なのに不変を求めるから」

先ほどと重なるけど、ブッダの基本思想は「世界中のすべてのものは常に変わる」というもの。

それなのに変わらないものを求めるから辛くなるんだよということ

老いが良い例

 ・自分が歳をとり、できないことが増えたり、可能性が減っていることに悲しむこと

 ・歳をとった親に対し、昔のハツラツとした親と比べて悲しむこと

ブッダいわく、

 「これも気持ちはわかるよ。確かに親は変わらないで常に元気で優しかったころのままでいてほしいし、自分も常に20代の体力と気持ちでいたいよね」

 「でも世界は常に変化をしている。変わらない自分や変わらない親なんてものはないから、それを求めるだけ、辛くなるよというもの」

これは染みたーーー!

無理なもの、できないものを求めてはいけないよね、確かにそうよね、、、

もちろん理屈でわかっていても、なかなかそう思えない、というのはあるけど、でも理屈を知らなかった頃よりは悩みは多少減るかもな、と思った!

マンボウ(妻)が少し介護で悩んでいたからこの本を激推しした!

最後の感想

「この本を読んで立ち所に悩みが解決する!」

とかそういうわけではないけど、この本は理想の自分とかそういうものを否定してくれて、少し肩の荷が降りるという意味ですごく良い本でした。

みなさまも少し人生のハードルを下げたい時にぜひ読んでみてください。

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