「久しぶりに実家に帰ったら、親に認知症のような症状が出ていてショックだった・・・」
「親がこれからどんどんできないことが増えていくことを受け入れられる気がしない・・・」
久しぶりの帰省でそんな不安を覚えました。
身体機能も急に低下して、転倒することも多くなりました
親が歳を取るのは当たり前なのに
何でもできて、助けてくれて、自分を育ててくれた親のできないことが増えていく姿
会話ができなくなり、いろんなことを忘れて、性格もかわっていく姿
そんな変化に心の準備ができておらず、ショックを受けてしまいました
また、母が祖母の在宅介護で苦労した姿、介護で体調を崩した知人の姿から介護に対してネガティブなイメージが
これから介護を頑張ることができるのか、仕事などの今の自分の生活との両立ができるのかと大きな不安に繋がりました
職場でのストレスでメンタルが弱っていたことも重なり、憂鬱な気持ちで過ごす時間が長くなり
心療内科を受診しました
薬の服用や、生活を見直すなど色々試していましたが、そのうちの一つとして読書をしたことも
効果のある一つだったと思います
親が老いていく変化を受け入れられない
そんな時に気持ちをほんの少し楽にしてくれた本を3つ紹介したいと思います
寂聴 九十七歳の遺言
1冊目は新書737 寂聴 九十七歳の遺言 [ 瀬戸内寂聴 ]です。
この本を開いたのは、老いていく父本人が、できないことが増えて落ち込んでいる姿を見て
人は皆老いていくけど、長く生きた人はどのように人生を振り返っているのか
辛い時にどんなふうに物事を捉え、生きてきたのか
できるだけ長く生きた人の言葉に触れてみたくなり開きました
父自身が、認知症が進んでいくことで寂しさを感じているのではないか、それなら家族は付きっ切りで介護すべきなのか・・・
と将来のことを考え肩に力が入っていた私を楽にしてくれたのが次の言葉
ほんとは他者によって慰められる孤独はありません。要するに人間はどこまでも孤独で淋しい存在なのです。
父だけでなく、私自身も周りの人も皆孤独なんだ。90年以上生きている人がそう言っている
そう思うとすっと心が楽になりました。他にも長生きゆえの説得力がある話が沢山あるのでオススメです。
自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学
2冊めは自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学 [ しんめいP ] です。
この本は、夫からオススメされて読みました。
(夫の感想の記事もあるので興味ある方は是非)
「著者は社会人になれず失敗、起業失敗、引きこもり生活で離婚をした人だよ。」
と聞き、「これから、大変な状況に直面した時のヒントを得たい」という思いで読み始めました。
その中で、印象に残ったのがなぜ人生は苦しいのか?に対する答え
- それは全てが変わっていくこの世界で、変わらない自分を作ろうとしてしまっているから
- 人は常にいろんな人の言動やその時の情勢で常に少しずつ変化している、つまり変わらないことなどない。それなのに変わらないことを常に求めているからそのギャップに苦しむ
私の場合、親の老いという現実を受け止めたくなく、、いつまでも若いままの父親を求めていたなと思い、
悩みの解決はしなかったものの、自分の不安の原因を言い当てられて、少しだけ気持ちが楽になっていました。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
3冊目は、反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 [ 草薙龍瞬 ]です。
この本はもともと周りの目を気にしすぎて疲れてしまった時に出会った本で、再度読み直しをしたものです。
どうしてこんなに介護のある生活に不安を感じているのか、たまにドキュメンタリーで
介護を明るく受け止めて、生きている人が出てきているが、私にはそれはできそうもありません。
ただ、この本を読んで、人生の色々な事柄を無理して前向きに明るく捉えなくてもいいんだ!
と思うことができました。
人によっては、「現実を受け入れることは、つらい」と思うかもしれません。でも、そうではありません。「受け入れる」のではなく、「ある」ものを「ある」と理解するだけです。
さいごに
祖父母の老いは当たり前だと思えたのに、同じ歳になった親の老いを、同じように受け入れる事ができない。
頭では、自分も含め毎年1歳づつ歳を取っていくのだから当たり前だと分かっているのに
信じたくない。そして、親本人も自身の老いにショックを受けている姿を見ると
また落ち込んでしまう・・・。そんな時、その当たり前をどう受け入れるかのヒントをくれる本に出会いました。
いづれ自分自身にも来るもの。その時にもきっと役に立つ考え方を教えてくれる本たちだと思います。
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